Thursday, November 04, 2004

バルザック 「砂漠の情熱」 A Passion in the Desert

http://onlinebooks.library.upenn.edu/webbin/gutbook/lookup?num=1555

リンクからテキストファイルなり、ジップファイルなりをダウンロードしてパソコンで読めます。無料。
ただしページに書いてあるとおり英語。


この作品読んでからしばらくたつのだが、なんとも「ここ」と指差しがたいものがある。バルザックはご存知の通り、サンドなどと同時代を生きてパリの人々を生き生きと描写した作品で知られる。(パリの人々というかバルザックの知り合いがネタに使用されていることは、リスト、サンド、ダグー夫人を巡るあたりやプリンセスベルジョイオーゾの当たりでも紹介した。)

でもそういう三面記事的な作品以外にも当然名作はあるわけだ。それらは邦訳も良いものがでているはずなのでご存知の方も多いだろう。

ただ、この作品お読みになったことの有る方がどのぐらいいるかわからない。

背景はナポレオンのエジプト遠征なのだが、テーマとは特に関係ない。このテーマが非常に異色。
このパッションの相手はなんと砂漠の豹なのである。
読めば読むほど奇怪なこの物語。
人間が動物に愛情を抱くのは特に珍しくもなんでもないし、自然に生息する野獣と人間が共存関係になることはもちろん皆無ではない。
ところがこの主人公の心理が、途中でどうも「それ以上になっていく様子を示唆」しているところなのだ。
皆様には自分で読んでいただいてご自分なりの感想を引き出していただくのがいい。

単純に「この本はこういうことを題材にしてこういうことを説明している」といいがたい作品の典型。読み終わったあとも、いったいアレはナンなんだろうという疑問が常に心の奥底に残され事あるごとに果たして自分はそういう状況を、または主人公の心理を理解することがあるのだろうか?と、見返る作品だ。

0 Comments:

Post a Comment

<< Home